2014年4月25日金曜日

ガレロ夫人 森有正

森有正の「バビロンの流れのほとりにて」を再読しているが、今、恐ろしく様々なイメージが立ち上がり、壊れていく。 都市に生きるガレロ夫人の強さはどこから生まれてくるのだろうか。 以下は電子ブック「バビロンの流れのほとりにて」より引用。 「ガレロ夫人のアパートは、デフリ街の四番地に二年前そのままにあった。しかしアパートの内部はすっかり立派になり、温水、冷水がほとばしり、ショファージュ・サントラル(中央式暖房)が据えられ、浴室も直っている。しかし、昔の主人ガレロ夫人は、そこをパリ市の旧い役人に売り、自分はファン・ド・メナージュ(女中)になっている。金のなくなった夫人は女中になり、もとの自分の住居には新しい金持ち主人がすんでいる。しかし夫人の顔には悲しみの影さえなかった。白い前かけをして、陽気に働いている。僕もそれを見ていると何だかそれが当たり前のことのように思われてきた」

コメントを投稿