2011年4月5日火曜日

セルジュ・ゲンズブールの死

週末のTVは三春の寺の住職のリポート。 ひと独りの死の内にその人の「死に様」を見ようとするならば、 それは、その人の死がどれだけ残された人々に「変化」を与えたかにあるだろう。 「変化」が大きければ大きいほど「死に様」は大いなる意味があったということだ。 いま、この地域では2万人あまりもの人々の死を弔らわなければならない事態が起っている。 当然、残された私たちは大きく「変化」しなければならない。 そうしなければ、人々の死は報われない。 かなりの意訳だが、かれはこんなことを語っていた。 TVをみながら、セリュジュ・ゲンスブールのことを考えていた。 東劇の試写室での「ゲンスブールの女たち」に引き続き、 週末には日仏で「シャルロット・フォー・エヴァー」を見たからだ。 もちろん、このTVとゲンズブールは何の関係もない。 ロリコンで女たらしの破滅型ミュージッシャン、スノッブなフランスの映画監督。 しかし、そんなスキャンダラスな彼の音楽は、なぜかいつも惹き付けて止まないものがあった。 (http://plaza.rakuten.co.jp/ekatocato/14000) スノッブとは俗物根性。 社会的地位や財産などのステータスを崇拝し、教養あるように上品ぶって振る舞おうとする態度とある。 しかし、このフランス男のスノッブには、であるがゆえに生きにくいと同時に、ある種の洗練、独特の美しさが見え隠れしていた。 ふわふわと身軽な移り気、神妙な仏頂面やしくしくとした女々しさが突然、古典詩人の凛とした歌声に変わる。 フランス語を勉強したことがないので全て類推だが、彼の歌はダブル・ミーニング、 性的内容を露骨に口にするが、そこにはもう一つの意味も歌われている。 いつもジターンの煙にまみれ、酒瓶を離さない、 心臓を止み、自殺をもほのめかしていたセルジュ・ゲンスブールは1991年に死んだ。 うそだろうとも思わせる、そんな男の死は、たまたまだろうがソ連の崩壊とも呼応していて、 ボクの中では妙に忘れ難く、いつまでも尾を惹いていた。 TVのリポートとゲンスブールは全く関係ないが、 TVの住職の言葉が妙に呼応したとするならば、 それは死を意味する大きな「変化」ということかもしれない。 そう、あの頃ボクは大きく変化した。 具体的には語りずらいが仕事も生活も。 趣味娯楽だけにについて言えば、 ボクはポップスいわゆる流行歌からはほとんど離れ、 しかし、専門の建築ばかりではなく、 あらゆるヨーロッパの音楽・美術・文学に関わりたいと思った。 重ねて言う、別にゲンスブールに関係があることではではないのだが。 なんかとてつもなく、いろんなことが変化したことだけは事実なんだ。 たまたま見つけた彼の初期の歌「リラの門」の歌詞を添付しよう。 リラの門の切符きり/鳥取絹子訳 J'suis l'poinçonneur des Lilas オレはリラの門の切符切り。 Le gars qu'on croise et qu'on n'regarde pas 人の波が交差し、みんな何もみてやしない。 Y'a pas d'soleil sous la terre 地下だから、太陽はない。 Drôle de croisière 妙な旅行、サ。 Pour tuer l'ennnui j'ai dans ma veste Les extraits du Reader Digest 退屈しのぎに、オレは上着のポケットに、リーダー・ダイジェストの抜粋を持っている。 Et dans c'bouquin y a écrit Que des gars s'la coulent douce à Miami その記事によると、人はマイアミでのんびり暮らしているそうだ。 Pendant c'temps que je fais l'zouave Au fond d'la cave その間、オレは地下の穴倉で、から威張り。 Paraît qu'y a pas d'sot métier Moi j'fais des trous dans des billets 職業に貴賎は無いそうだが、オレは切符に穴をあけている。 J'fais des trous, des p'tits trous, encor des p'tits trous 穴をあける、穴、アナ、あな。 Des p'tits trous, des p'tits trous, toujours des p'tits trous それも小っちゃい穴、ふぅ、いつもいつも小っちゃな穴。
Des trous d'seconde classe Des trous d'première classe 2等車の穴。1等車の穴。 J'fais des trous, des p'tits trous, encor des p'tits trous Des p'tits trous, des p'tits trous, toujours des p'tits trous... 穴をあける、穴、アナ、あな。それも小っちゃい穴、フン、いつもいつも小っちゃい穴。小っちゃい穴、小っちゃい穴、小っちゃい穴、小っちゃい穴。