2016年12月14日水曜日

サクロモンテの丘

グラナダはアルハンブラ宮殿のある街、
イスラムの宮殿を望むこの街の北の丘がサクロモンテ。
しかし、この丘がロマによるフラメンコの聖地であることは、
映画を見るまで全く知らなかった。
ヨーロッパから迫害され丘の上の洞窟に住んだロマ。
彼らの歌と踊りがイスラムの文化と融合しフラメンコが生まれていく。
複雑なリズムと魂の叫びのような歌、ギターに促される強烈な踊り、
フラメンコはカルメン等オペラの中でしか体験しなかったが、
映画ではその魅力がタップリと表現される。
魅力とはいつもフラメンコとともにある丘の上の生活と生き様。
彼らにとって、大きな転機は1963年の大洪水。
彼らにとって、フラメンコのほか残されたものはなにもない。
映画はその前後をニュース映像も加え詳細に語ってゆく。
ヨーロッパやアメリカ、日本にも渡り成功した踊り子たち。
外の街に馴染めず、洞窟にしがみつき踊りつづけた踊り子たち。
そして今、洞窟の街は蘇り、彼らの文化はすべてを受け入れ、いまも踊り続ける。

2016年12月10日土曜日

タイプとしての建築論

建築デザインをタイプとして捉えるか、スタイルとして検討するか、その違いはとても大きい。

デザインされた建築を通時的に捉え、建築された時代や文化との関係から、その建築の意味を読み取ろうとすることが一般的だが、それは建築様式史、スタイルとしての建築史と言える。一方、建築された時代に関わらず、その建築の形のみに関心を持ち、検討するという方法もある。それはタイプとして読む建築史、共時的に建築を検討することだ。

出版されている建築論の大半は美術史の様式論に連動させ、文化と社会から、つまり建築の外側から建築を探ろうとしているが、Prof.Fの西洋建築史講義はタイプとしての建築を十講に整理し、自立した建築の形態としての意味を読み取いている。しかし、残念ながらこの書はまだ未出版、貴重な大著であり、一日も早い出版が待たれる。