2016年10月25日火曜日

電脳術時代の思考

Innovation Nippon2016 セミナーに参加した。
テーマは「米国大統領選挙にみるiTと選挙のイノベーション」。
各論の感想はともかく、その聴衆としての全体的印象は以下のようなもの。
ITメディアによる情報時代の選挙は「共感と感情」が優先される。
メディアにみる電脳術の時代の選挙は従来の様相をことごとく変えて行くに違いない。
しかし、ここでの問題は、メディアとコンテンツの関係、このテーマはもちろん選挙だけに関わることではない。

選挙では当然だが、電脳術時代の多くの事柄について、思考停止したコンテンツの氾濫はポピュリズムの風を巻き起こすばかりとなってしまうのだろうか。
ルネサンスの印刷術時代のペーパー情報の役割は文学・哲学・芸術を一般化したことにある。
そして18世紀、市民社会の思考が近代社会を創生した。
聖(宗教)俗(貴族)にある権力者の特権的情報と思考が大衆化され民主主義が生まれたのだ。
しかし現代社会、その基盤である民主主義が形骸化し歪み始めている。
従って、電脳術時代の選挙をテーマとするなら、再度「思考の大衆化」がテーマとなる。
一方、中立を強調する既存のマスメディアではすでに、新時代のメディアの役割を失っている。
今、問われるのは「電脳術時代の思考」と言うことのようだ。

2016年10月5日水曜日

アスファルト

期待以上の素晴らしい映画だったが、館内はガラガラだ。
大都市周辺なら、いまや世界中、ドコででもお目にかかる住宅団地。
壊れかかったコンクリートの箱とゴミの山、昼夜、分かたず疾走トラックの騒音。
そんな世界が舞台だが、作られた映画は静かで柔らかな人間によるファンタジー。
いや、ファンタジーではない、つましく生きる人たちの当たり前の日常だ。
この世界は決して小説や絵画では表現出来ない。
音と映像を巧みに駆使し、作りだしたからこそ描ける世界。
パリ郊外の団地でロケしたフランス映画だが、アラブ人家族やアメリカ人青年も登場する。
三組のカップルが生まれ、ドラマが動いて行くが、年齢差は様々だ。
この映画はとても良くできた恋物語・集、と言って良い。