2015年7月29日水曜日

美しき五月

クリス・マルケルが亡くなって、2年を経過し、パリはシャルリー・エブド襲撃事件を経験した。 50年前はともかく、彼の映画は現在一般市民の間で大評判と聞く。 100年前の第一次大戦で近代戦の恐ろしさを実感したパリは、 その後、ヒトラーの侵略には全面戦争で対峙することはなく、 全国土はナチに蹂躙された。 今日の映画は「美しき五月」お茶の水のアテネフランセ。 この映画は50年前に作られたアルジェリア戦争後のパリをドクメントしている。 イブモンタンの声とルグランの音楽。 ボク自身はまだ学生服、しかし、他者に対して著しく関心を持ちだした頃のこと。 フランソワ・トリュフォーのヌーベルバーグに魅せられていた。 「美しき五月」から思い出したのは場面はローマだが、アランドロンとモニカ・ビッティの「太陽はひとりぼっち」。 50年前のパリ市民たちが語る平和は、 第二次大戦やアルジェリア独立戦争を政治的終結させたことを意味するのか、 いや、シャルリー・エブド襲撃前のパリの平和のことなのだろう。 映画に登場するパリとパリ市民、それは現在の日本、そして大都市東京に酷似している。 シャルリー・エブドのテロを体験したのは現在のパリ、 しかし、東京は幸いまだテロにはまみれていない。 今日のアテネ・フランセでこの映画を共に見る若い人たちに、 何事もなかれといのるばかりだ。

2015年7月16日木曜日

村野藤吾建築展 目黒美術館

建築好きの方は必見、目黒美術館の「模型が語る豊穣の世界」は素晴らしかった。建築家村野藤吾さん作品は模型で見るだけでも感激。京都工芸繊維大学松隈研究室が制作し、四つのカテゴリー分けられ、彼のほとんど全作品が制作展示されている。これだけ壮観な模型展、所蔵が京都だけに東京の学生には欠かせないチャンスと言える。失望会見の後、気分が和まないまま目黒の権太坂では台風余波の激しい雨風に閉じ込められた。しかし、雨も上がり爽やかな目黒川沿いの散歩道と真っ白で静かな模型群は気分転換には最適だった。

2015年7月4日土曜日

靴職人と魔法のミシン

題名通り、全く分かり易い、裏も表も無いファンタジー。 とは言え、決して子供向けではなく、 デモも殺人もあるニューヨーク下町の物語。 昼下がりの雨の有楽町を散歩していると、 シネマ・シャンテではジャスト・オンタイム、 思わず傘を畳んで飛び込んだ。 真っ暗な客席、ひと息つくと本編が始まる。 画面はロワーイーストの古い街並み。 銀座裏通りのような低層ビルの商店が軒を連ね、 歩道には沢山の人が行きつ戻りつしている。 そう、決して煌びやかでは無いが、 どこか暖かみが感じられる日常的な都市風景。 加えて、ショコラ風のアコースティックなギター音楽がまったりとして気持ち良い。 なる程、この映画がロングランになったのはよく判る。 我々の知る街はどこもコンビニスタイルかシャッター通り、 しかし、ここニューヨークの下町は、 いまもなお、人も風景も音楽もどこか洒落ていて居心地が良い。