2017年6月16日金曜日

永遠のファシズム ウンベルト・エーコ

昨年の2月に亡くなったエーコを読み続けている。薔薇の名前は読みやすかったが、フーコーの振り子や前日島は途中で挫折していた。
最近になって、プラハの墓地が面白く、岩波がバウドリーノを文庫化していたので、今は虜になっている。
長らく気がつかなかったが、彼の本の面白さは人間の間のミステリーではなく、個人の中に巣くう陰謀にあるのかもしれない。
そして一昨日、共謀罪を強行裁決する国会を眼にし、「永遠のファシズム」の真実味をまのあたりにした。
何時の時代、何処にでも生きる、人間が持つファシズムの原形を永遠のファシズムとエーコは捉え、その形を次のように原ファシズムとして列記している。

1ー>伝統崇拝=知の発展はありえない、私たちのできることは解釈し続けることだけ。
2ー>伝統主義はモダニズムの拒絶を意味のうちに含む。
原ファシズムは非合理主義。
3ー>文化は批判的態度と同一視されるいかがわしいものとされる。
知的世界に対する猜疑心は、原ファシズムの兆候。
4ー>原ファシズムにとって、意見の対立は裏切り行為。
5ー>原ファシズムは人種差別主義。
6ー>原ファシズムは個人もしくは社会の欲求不満から発生する。
7ー>原ファシズムはその心性の根源に陰謀の妄想力を抱え込んでいる。
8ー>敵の力を客観的に把握する能力の欠如。
9ー>生のための闘争は存在せず、あるのは闘争の為の生。
平和主義は悪であって、敵とのなれ合いと見なされる。
10ー>原ファシズムは大衆エリート主義を標榜する。
11ー>原ファシズムは死(英雄)にあこがれ、死に急ぐ。
12ー>原ファシズムはマチズモの起源、英雄視は武器と戯れる。
13ー>原ファシズムは質的ポピュリスムに根ざしたもの。
個人は個人としての権利を持たない。
人間存在は量としては共通意志を持つことなどありえないのだが、原ファシズムは個人的意志を認めない。
14ー>原ファシズムは虚構を話す。

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