2015年8月27日木曜日

ボヴァリー夫人とパン屋

19世紀のフランス小説、フロベールの「ボヴァリー夫人」の上にレヤーを被せ映像化し、21世紀の不倫劇を描いたなんとも凝った映画だ。 映画はやはり小説を読んでからでを観たほうが楽しい。この映画はドラマでもなければ、「ボヴァリー夫人」を描いているわけではない。 19世紀の田舎を抜け出したがる小市民と現代の都会から田舎をあこがれる小市民を対比させている。さらに従来からあるフランス人とイギリス人の違いをユーモアを持って明確にかき分けている。 しかし、この手の映画は日本では流行らない、特に男性陣は苦手だろう。何故なら、フランス人が持つ独特の女性観、その好色的なくすぐりを距離間を持って楽しむことは結構難しいからだ。
人のいい中年おじさんの持つお節介に、我々日本男児、どこに共感を見つけたらよいのだろうか。そもそも、フロベールの「ボヴァリー夫人」を今の時代、面白いと思う人が何人いるだろうか。 この映画は凝っていると言いたかったのは、実はもう一つ背景となる映像にある。映像化されたルーアン大聖堂やその周辺の中世以来の小さな街の住宅とインテリア。そこはまさにフロベールが描きたかったノルマンディーの自然環境と建築の美しさそのものなのだろう。といってもボク自身この場所を一度でも訪れた訳ではないのだからすべてが想像。しかし、映画は19世紀のリアリズム小説の風景はこんな世界だったのかと思わせてくれる。

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