2015年8月16日日曜日

スクラップ・アンド・ビルド 羽田圭介

「火花」と同時の芥川賞受賞作。 この作家の方が又吉直樹より次作は早く、かつ、多くを書くであろう、との選評が気になり読んでみた。 被介護老人とその父を介護する娘、主役は老人の孫、失業中の身ゆえ二人と同居せざるを得ない健斗君。 祖父を寝たきりにさせず、かつ、自分自身の体力と精力の維持に励む健斗が語り手となるマッスル小説だ。 老人の呆け防止も、20代のセックス呆けもボクの好みではない。 しかし、選評にあるようにこの小説のテーマは身体問題ではない。 もちろん内面問題でもなく、人間関係だ。 それもよくある「風」の読みあい、馴れ違いをテーマとする、わけしり小説ではなく、家族だが年は隔たり、生きる世界が全く異なる3人の関係。 確かに、今回の呆けは好みではないが、内容の割にサバサバと書いた人間関係はフィクションとしては面白い。 現代はまさにダイバーシティ時代、彼には沢山のモティーフがあるのかもしれない。

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