2014年4月20日日曜日

芸大フィル新卒業生演奏会

芸大フィル新卒業生演奏会
新緑もすっかり深まった4月中旬の上野の山。
毎年、この頃から興味深い演奏会、展覧会はめじろ押しだ。
今年は宗達をはじめとして、バルテュスやカロという本の中でしか見たことのない展覧会が続いている。
そして、平野啓一郎がキューレーションする写真展まであると言う。
奏楽堂、新卒業生紹介演奏会を聴く。
作曲作品に始まり、トランペット、ヴァイオリン、指揮にソプラノ、ピアノと全て今日のために選ばれた6人の若い音楽家たちの演奏会。
最終演目はベートーヴェンのピアノのコンチェルト第五番。
全く久しぶりに生で聴いたこの曲、改めてベートーヴェンの良さを気づかせてくれる演奏だった。
聞き慣れていたはずのピアノの曲だが、こんなにピアノの高音が優しく響く曲だっただろうか。
それも、しっかりとしたリズムに刻まれた古典的な格調のなかを。
ニックネームに言う「皇帝」、その名の通り朗々とした名曲だが、新人黒岩君の演奏は決して意気込んではいない、もちろん見せびらかしもない。
淡々としたピアノの一音一音をオーケストラの中にしっかりと響かせる、本来の協奏曲の愉しさを十分に楽しまさせる清々しい演奏だ。
多分、今日のオーケストラ、藝大の先生方の演奏も一音一音、端正に奏でられているが故に、その音のシークエンスがより新鮮に聴こえるのだろう。
指揮は山下一史氏、特に良かった楽器はホルン、どなただろう。
若い演奏家による今日の演奏会は演目も若く、ソプラノの竹田さんが歌う「夢遊病の女」のベッリーニとこのピアノ・コンチェルト以外はすべて20世紀の作品。
川崎君が踊るように指揮してくれたラヴェルのラ・ヴァルスの他は初めて聴く曲ばかりだ。
特に名演奏と感じたのはトランペットの松田優太君。
A.デザンクロという1912年生まれのフランスの作曲家の「祈禱、呪詛と踊り」。
ボクの好みだから当然かも知れないが、現代曲とは言え古典的な形式だ。
特によかったのは「哀歌」の部分。
ミュートを付けたトランペットは最早金管ではない、と言って当然、木管ではない。
長くゆったりとした気持ちの良い歌声、文字通り哀歌が鬱々と静かにながれる。
彼はまだ修士課程の1年生だそうだ。



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