2014年2月12日水曜日

虞美人草 夏目漱石

ベッドの中で電子ブックを読むにはタブレットでは重過ぎると感じていた。 kindle paperwhiteを買った。 早速、試してみる。

漱石先生には申し訳ない気がしたが「虞美人草」を読む、快適だ。 kindleも漱石先生も。 いや、漱石はやはり面白い、文豪は今も生きている。
前半は京都と東京を対比させた都市小説。 物語は上野不忍池、勧業博覧会のイルミネーションで一転する。 

山羊革の靴に洋杖、文学と哲学と法学、金時計を持つ浅葱桜の下の2人に対し池を挟んで対峙する2人、西洋で病没した父の肖像と謎を活きる継母、 真面目と世間体、悲劇と喜劇 。
 その全体はまるで無声映画感覚で観る漱石ワールド。 
弁士が語る登場人物の各々は鮮明に描かれた現代人、物語はますます広大な領野へと向かう。
対比のテーマは西洋と日本に収斂する、圧巻は漱石の生きた時代と漱石が見通した我々が生きる現代だ。

巻末の宗方君の手紙、「ここでは喜劇ばかりが流行る。」にはこの小説にかける漱石の思いの全てが込められている。 19世紀のイタリアの詩人ジャコモ・レオパルディを読んでみよう。 漱石はもっと重大な対比をこの詩人の本に隠しているようだ。