2013年12月3日火曜日

ビッグ・ブラザーとリトル・ピープル

「ジョージ・オーウェルはその小説の中で、未来を全体主義に支配された暗い社会として描いた。人々はビッグ・ブラザーという独裁者によって厳しく管理されている。情報は制限され、歴史は休むことなく書き換えられる。主人公は役所に勤めて、たしか言葉を書き換える部署で仕事をしているんだ。新しい歴史が作られると、古い歴史はすべて廃棄される。それにあわせて言葉も作り替えられ、今ある言葉も意味が変更されていく。歴史はあまりにも頻繁に書き換えられているために、そのうちに何が真実だか誰にもわからなくなってしまう。誰が敵で誰が味方なのかもわからなくなってくる。そんな話しだよ。」(1Q84 BOOK1 p459:村上春樹) 眠れない夜、天吾がふかえりに語るシーンだ。昨今の「都市と建築」のことを考えていて、突然「平家物語」と「ギリヤーク人」に挟まれた、このフレーズを思い出した。インチキな民主主義、歴史は廃棄され、都市も言葉も作り替えられる時代だ。村上春樹は好きな作家だが、やはりこのベストセラーは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」に継ぐ傑作だ。 Google Keepから共有
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