2013年2月20日水曜日

父と子 ツルゲーネフ

父と子 ツルゲーネフ
「父と子」ってこんな小説だったかなぁ、と不思議な思いを感じながら、確かに昔もこの小説は一気に夢中になって読んだなぁ、と思い出した。
タブレットを手にし、電子ブックを試してみようと思ったのが昨年10月。
丁度その頃、横浜で藤村展を見学した。
これがきっかけとなり、無料でもあったので、結局、新生、破戒、夜明け前と電子ブックで島崎藤村を読み続けることになった。
やはり、電子ブック体験って新鮮なのだろうか。
古びた書棚のかっての本はそのままだが、忘れていたことを思い出すと同時に新たな部分の発見もある。
ボクにとってタブレット体験は再読には最適なようだ。
幾つになっても、好きな作家というのは変わらない。
「父と子」の持つリリシズムは昔と全くかわらない。
変わったのは、かっては子の齢で読んでいたが、今はバザーロフやアルカジーの父親以上の立場。
しかし、やはりツルゲーネフは偉大だった、この小説は決して世代対立がテーマではない。
藤村同様、時代の狭間を生きる人々、しかし、画かれている世界は流れの中に垣間見える「変わらぬもの」。
それは賢人の持つ「愛ということば」ではなく、誰もが持つ「気まぐれな恋」なのだ。

2013年2月20日
by Quovadis

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2013年2月8日金曜日

塀の中のジュリアス・シーザー


これは面白い映画だ。
イタリアのタブアーニ兄弟の作品、昨年のベルリン国際の金熊賞、アカデミー外国映画賞、文句なしにお薦めだ。
歴史の中のシーザーではなく、シェークスピアの戯曲ジュリアス・シーザーを本物の監獄の中で本物の受刑者たちが演じていく。
タブアーニ兄弟は監獄の実際の舞台を見て、そのままの映画化を目論んだという。
従って、監督が演出しているのではなく、ドキュメンタリーとして映画を構成。
その構成にはストーリーは特になく、ジュリアス・シーザーの暗殺劇が戯曲通り時系列に従い、そのまま一幕から終幕へと映画は進行する。
そして、あの言葉の速射砲のようなシェークスピア劇がイタリアの監獄の中イタリア語(受刑者各々出身の都市ごとのバラバラな方言)で演じられる。
ドキュメンタリーだから、監獄内の受刑者俳優の練習シーンが写し取られているのだが、つまり、本物の殺人者が戯曲の中の殺人も演じるのだが、さすがにカメラワークと音と音楽は絶妙だ。
さらに、面白いのは、進行は戯曲に従うが、映像はモノクロとカラーの二通り。
日常の監獄内での練習シーンはモノクロ、わずかな監獄外のシーンと一般客が観劇する劇場シーンをカラーで画く、なんともその明解な対比が面白い。
ここまで書くと、どうやら、映画制作の意図を読んでしまっているようだ。
カラーでリアライズされる日常にではなく、モノクロで戯曲化された監房にのみ、本来の人間の「人間としての自由」がある。
つまり、虚構と現実、都市と田園、歴史と戯曲の対比で示すものがこの「映画」のメッセージ。
最後のシーン、これだけは演出だろうが、監房に戻った受刑者俳優のひとりに「芸術を知った時からこの監房は・・・・・」と呟かせる。 

2013年2月3日日曜日

豪華な演奏会、藝大室内楽定期39回

2日と3日は芸大室内楽定期。 今日のプログラムは弦楽四重奏ベートーベン作品74とシェスタコビッチ作品73、カーターとニールセンの木管五重奏とアレンスキーのピアノ三重奏作品32。 ベートーベンはともかく、ボクはシェスタコビッチもカーターもニールセンもアレンスキーも一度も聴いた事がない。 卒業あるいは進学を間近に控えた学生たちによる爽やかな演奏会。

3曲目、アメリカ生まれのE・カーターの木管五重奏は面白かった。 100才を超え現役、名実共に現代の世界的作曲家だった彼だが、昨年11月103才で亡くなった。 それは今日の演奏の為、この曲を選んだ直後のこと。 心を込め演奏したいとプログラムにはあった。

ホルンを中心にフルート、クラリネット、オーボエ、ファゴットが自由気ままに音を弾けさせていく。 メロディーもあるが5つの音響が波のように重なり合っていく。 そしてクラリネットの呟きで第一楽章が終わる。 第二楽章はまるでジャズ、いや違うな、まるでパッカーションのように5つの音響が砕ける。 リズムは追えない、拍子感がなく調性もない。 目の前を形のない様々なものが飛び跳ね転げ回り消えていく。 えっ、どうしたのと思ったら曲は終わっていた。

もっとも気にいった曲は、最終曲のアレンスキーのピアノ三重奏。 楽章ごとにそのイメージは様々に変容するが、終始、精細で大胆なメロディーがピアノ、ヴァイオリン、チェロの絡まりの中、変奏され、転調され流れていく。 色調の異なる柔らかな楽想を絶え間なく繰り返していく3人は、ちょっと意外、3人が3人とも黒のスーツの男子学生だった。

2013年2月1日金曜日

ホビット

「ホビット」を新宿ピカデリーHFR3Dで見る。
今日のお話しはビルボ・バギンスがホビットと同じ小人のドアーフを助ける冒険談、「行きて帰りし物語」を「ホビット」として映画化された3部作の第一作。
ビルボの息子フロドとその友だちの冒険、「指輪物語全六巻」はすでに『ロード・オブ・ザ・リング」等5作の映画としてDVD化もされているが、今日の映画はその前段部分、トルーキンのファンタジー・アトラスの全容が高画質3D、高音質5.1chデジタルにより、途轍もなくリアルで大きな世界となって場内一杯に展開されるという画期的なもの。
早く早くと思ったが、なかなかチャンスが無く、今日ようやっとその世界を体験でき大満足。(「ホビットの冒険」はハイフレームレート3Dでご覧になることを薦めます)
デジタル時代、映画もどんどん変わるようだ。
映画館でなければ体験できないファンタジック・ワールド。
その世界は子どもとはほど遠いボクにとっても夢の夢、
今後への期待はますます膨らむばかりです。
追加
ビルボ・バギンズを演じているのは「テレビドラマ「SHERLOCK (シャーロック)」でワトソンを演じているマーティン・フリーマン」今、知りました、好きですね、どちらの役も。