2012年8月12日日曜日

屋根裏部屋のマリアたち

昼の渋谷は暑かった。盆休みだがこの町は今日も人が多かった。文化村はまぁまぁだ、ジュンク堂も空いていた。 ちょっと好色だがお人好し、有閑マダムを妻とするパリの金持ちおじさんは100年余り前に作られた古いアパルトメントに住んでいる。同じ建物の屋根裏には、スペインからの出稼ぎのマリアたち(家政婦さん)。ドラマは夫婦喧嘩で追い出された金持ちおじさんと麗しい(?)マリアたちとの共同生活。おじさんの勘違いはボクのハートをちょっと揺さぶったが、勘違いさせるマリアたちの人柄と歌とダンスと料理はどこまでもほのぼのとした魅力が一杯。 この映画へのボクの関心は実はもう一つ、この建物の構成にあった。この建物は19世紀後半のナポレオン三世とオスマン男爵によるパリ大改革の成果(パリ・オペラ座の完成と同時代)。ラ・ボエームのロドルフォたちが住まう中世的都市住居に代わり、新たに作られたアパルトメント。2・3階にはご主人がたが住まい、4・5階は使用人たちの部屋という構成。現代東京のマンションとは異なり、貧乏人もお金持ちも同じ一つ建物に住まうというところが面白い。近代都市計画のパリ改革では中世同様、都市では貧者・富者の差別なく、すべての住人が共同で生活するというメッセージが重要だ。この映画には現代都市パリの原点、パリジャンのための典型的なオスマン・スタイルの内部空間がすべて実写で克明に写し取られている。
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