2012年7月5日木曜日

楊家将  北方謙三

ここのところ観たい映画が見つからない、その代わりということになるが、よく本を読むようになった、かって、宮城谷昌光の「重耳」から始まる古代中国の歴史物語や司馬遼は出張の時の必需品だった。行き帰りの新幹線やエアーの機内、製図台につながれるまでの寸暇の時間、持ち込んだ文庫本を読み飛ばしていた。
今のメトロで毎日見るスマホファンの光景と全く同じだ。どうやら、ボク自身は最近、スマホやパソコン遊びに飽きたのだろう。と気がついたら、文庫の読み飛ばしの癖が復活した。
今読んでいたのは北方謙三、「楊家将」「新楊家将」の全四冊はとても面白い。 三国志、水滸伝はすでに読んでいる。しかし、あのハードボイルド作家が三国志を越える物語を書いていたとは知らなかった。

解説によると「楊家将」は中国では三国志、水滸伝と並ぶ人気の物語。日本ではほとんど知られていなかったが、中国人が彼の「楊家将」を読み中国の「楊家将演義」より面白いと絶賛したとのこと。
確かに面白い。すべては英雄の物語だが、吉川英治の三国志や水滸伝は上に立つ人間の思惑と孔明たち軍師の謀の面白さ、宮城谷の「重耳」「介子推」「楽毅」は君主に使えるが、多くの部下を従える男たちの人間的格闘の物語。 
しかし、「楊家将」も確かに英雄だが、戦いばかりの物語。とまぁ、最初は思っていた。ところがだ、ボクの知る北方謙三は「眠りなき夜」「友よ、静かに冥れ」日本では得難いハードボイルド作家。

4冊目の「新楊家将の下」にはいるともう間違いなく彼の本領発揮。タイトルも「血涙」だ。石幻果、休哥と英雄であった父を失った楊家の兄弟姉妹たち、そこはもうメロメロにボイルドされた世界、北方ならではのエンターテイメントが展開される。彼もまた三国志や水滸伝も書いている。 どうやら当分、パソコン遊びには戻れそうにない。「必要としなければ必要なし」(あたりまえか?!)今度はじめて知ったが、中国の歴史物語は春秋戦国ばかりではない、楊家将の時代、10世紀の遼・宋の時代も目が離せない。
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