2012年6月5日火曜日

空間の行間の無鄰菴

面白い本を見つけた。 磯崎新と福田和也の対談「空間の行間」筑摩書房。
冒頭、福田氏は語っている。 「日本建築と同時代を担う文芸、両者を併置、対置したときに見えてくる文脈や照応を探る」。
読んでみたのは第八回無鄰庵と「五重塔」。 無鄰庵は京都の明治時代の庭園の代表格、庭師小川治兵衛が作った山県有朋の庭と聞いてボクもかって見学している。(Youtube映像)
しかし、これが明治の元勲の京都の庭か、あまりにもあっさり、何事もなく、拍子抜けした経験があったから、お二人が何を語るか興味津々。

東京周辺でも、ちょっとした邸宅ならどこでも見かけた変哲のない日本の庭。 縁先から視線の最遠方に小山を築き、そこからの流水を床下までゆったり導き、溜まり池にする。
読んで判った、この変哲もないことが大変なことだったのだ。 ここで解説を追うつもりはないが、出てくる出てくる、お雇い外国人、江戸と明治の技術者、軍人、哲学者、政治家、文学者、画家に俳人・・・・。
ヴァザーリやブルネレスキ、ギルベルティまで出てきたが、日本の建築家は一人も登場しない。 やはり、デザインや文学が面白いのは時代の狭間ということだろう。 そしてWTCは近代のダークサイド。 しかし、「その後、どうしたらいいのか、まだだれも納得できる見通しを出していない。」で終わっている。

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