2012年6月30日土曜日

チェンバーオーケストラ

弦を聴きたいと思い、すぐに思いだし手配したのが今日のコンサート、芸大チェンバーオーケストラ第19回定期演奏会。 すでにブログには書いたが、上野の山の端、芸大とは背中合わせの場所にボクの通った高校、都立上野高校がある。 おかげで芸大や文化会館の演奏会はもっとも身近、下校後度々気軽に聴きに行くことができた。 そんな経験から上野での演奏会はいつも親近感がある、芸大のチェンバーオーケストラもすでに何回か聴いている。学生のオーケストラだが、いつも質の高い演奏を続けている。今日のプログラム解説で初めて知ったがこのオーケストラの創業は2003年。芸大教授ゲルハルト・ボッセ氏の指導と指揮で毎年2回演奏会が開かれていた。先生はドイツバロックから古典派、ロマン派が得意だったという。ボクが通い、聴かせていただいたのもハイドンが多かった。 そんなボッセ先生は本年2月1日亡くなられた。残念ながら、今日はいつもの指揮者である先生は登場しない。演奏する学生のみのアンサンブルだが、ほとんど学生はもはや先生の指導も直接は受けていないと書かれていた。しかし、すばらしい演奏会でした。午後3時からの演奏会だが、終始音楽を楽しむ喜びと緊張感ある合奏、会場は弦楽好きの観客で満員。ボクは幸い5列目中央、プログラムはJ.Sバッハとメンデルスゾーン、スークです。 演奏が始まってまだ30分、2曲目のバッハ、2つのバイオリンのための協奏曲、その第2楽章の二人の旋律が呼応し合うと突然、涙が溢れ、膝が震えはじめた。こんな経験、しばらく忘れていた、そう、ボクの身体に音楽が戻ってきたようだ。1曲目のブランデンブルク協奏曲第3番は誰もが知る名曲。バイオリン、ビオラ、チェロが三人づつにコンバスとチェンバロ構成だが、その第2楽章は各々の弦が転調しながら掛け合うという展開。演奏者は目で合図し呼応、わずかに微笑む。練習を重ねた喜びを充分に楽しんでいるかのような演奏は見ていても楽しく、この曲の持つリズムや速度を一層華やかにし、若々しい。 後半のメンデルスゾーン「弦楽のための交響曲第9番」スーク「弦楽のためのセレナード」も文句なし。2曲とも作曲者自身の10代の作品。もちろんボクにとって初めて聴く曲。前者は音楽がドラマ、後者はドラマが音楽というのがボクの感想。終始、緩急緩と変化する中、バイオリン、ビオラ、チェロ、コンバスはその役割を決して失うことなく、質の高い合奏を聴かせてくれた。 蛇足だが、最近の演奏会の出演者は女性が多い。最近は文学・美術、建築と芸術に関わる素晴らしい若い人は圧倒的に女性が多いように感じらる。理由を詮索してもしょうがないが、こんな質の高い演奏会のチケットがわずか1500円。学生の演奏会だからと言ってしまえばそれまでだが、一般の商業的演奏会との相違をいろいろと考えると、なんか寂しいものが見えてくる。今日は指揮者のいない合奏だが、バイオリン、ビオラ、チェロの男子学生3人がしっかりリーダーシップを発揮していた。その緊張感は客席から見ていてもよくわかる。オペラ研修も全く同じ、練習に練習を重ねた成果、なんとか、明日以降もあり余る彼ら彼女らの力を充分に発揮できる機会を願うばかりだ。