2012年4月18日水曜日

少年と自転車

映画・少年と自転車を観る。 男の子なら誰でも経験したことがあるだろう。 自分自身の思いと感情がバラバラで、相手が大きかろうが、強かろうが遮二無二ぶつかっていき、取っ組み合いの喧嘩をしたことを。 しかし、殴られようが投げられようが、力の限りに取っ組み合うと、どうにもならない相手の強さに対する畏怖、あるいは不思議なことだが手加減されているなと相手の優しさを感じたりもする。 そんな喧嘩相手だからこそかえって信頼し、やがて親しみも深くなる。 12〜4歳頃の真の友達なんてみんなそうして始まったんだ。 しかし、この映画の少年には真剣に取っ組み合ってくれる人がいない。 失職し妻に逃げられ少年を見放す父親。 保護司という制度だけの施設管理者。 口先と飴で少年を牛耳ろうとする不良。 被害者ずらし理不尽な息子を叱るどころが一緒にごまかそうとする情けない父親。 そんな現代の大方の人間関係のアナロジーの中に、たった一人少年と真剣に取っ組み合うエンンペラーが登場する。 いや、女性だが。 そう、面白いことにこの映画の主役はなんとベートゥヴェンのピアノコンチェルト第五番。 宣伝にある愛そして絆と言う言葉では説明できない真の人間関係。 力任せのペダルの踏み込みに応答するピアノの響きが、この映画が語りたいことの全て、とボクには感じられた。
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