2010年12月18日土曜日

奥様女中

オペラブッファの原点と言われるこのオペラ、 生の舞台で一度は観てみたいと、 かねてから思っていたが、 年末の休日、昨晩が絶好のチャンスとなった。
いやぁー、面白いのなんの! 登場人物はたった3人、歌手は2人。 これ以上はない小さな舞台だが、二幕も切れなく、 ひっきりなしに客席を沸かしてくれた。
そうだろう、演出はペルゴレージの研究者でもあり、 今晩の企画の責任者ダリオ・ポニッスィ。 かれは前半の舞台でペルゴレージ役を演じるばかりか、 「奥様女中」では召使いヴェスポーネという黙役も演じてくれた芸達者。
小間使いのセルピーナは高橋薫子、 藤原歌劇団のこの役ピッタンコの名歌手。 その歌声は軽やかでやさしい、ユーモアがありコケティッシュ、 モーツアルトやロッシーニのブッファには欠かせぬ逸材だろう。
ウベルト役は立花敏弘。 彼もまたブッファは得意そう、 その伸びのあるバリトンは客席の隅々に朗々と響きわたる。 幕間劇という切っ掛けはともかく、 300年近くも傑作と言われ続けたこのオペラ。 初めて観てその面白さを堪能した。

お話はたわいない。 ウルベルトのお屋敷で生まれた小間使いセルピーナ、 召使いヴェスポーネの力を借り、 まんまとウルベルトの奥様の座を射止めるという物語。
「奥様女中」はオペラのインテルメッゾ(幕間劇)として上演されたのが最初だそうだ。 その本体は1733年にナポリで発表された「誇り高き囚人」。
そう解説を読むとなるほどとも思う。 いまでは全く上演されることのないオペラセリア「誇り高き囚人」だが、 その題名から類推するに、 まさにこの幕間劇のウルベルトこそ、 幕が降りた後の「誇り高き囚人」といえるかもしれない。
これも解説だが、ナポリで名をあげやジョバンニ・バッティスタ・ペルゴレージ、 彼はなんと26歳の若さで結核で死んだと言う。
この生誕記念300年公演を観るかぎり、 モーツアルト以前、 こんな面白いブッファの作曲家がいたんだと改めて知り、 音楽もまた確実に音楽の上に作られていると実感した。

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