2010年10月9日土曜日

イル・カンピエッロ


高校時代の文化祭、 柔道の朝練の仲間たち、 こぞって女装し、パレードした。 あのときの友人たちの顔、テレとはしゃぎ、 とてつもなく楽しく、気持ちよかったのを思い出した。 
卒業して初めてのヴェネツィア見学。 サンタ・ルチア駅の近くの安宿のおばさん。 女性なのに、ひげが生えていたのを思い出した。
初めてのオペラ、「イル・カンピエッロ」の観ながらのこんな思い出と感想は不謹慎。 お許しを、しかし、とても楽しいオペラ、その舞台と衣装、音楽も優雅でなめらか。

 「イル・カンピエッロ」は小さな広場を意味する、それも下町ヴェネツィア。 ミュンヘンで学んだようだが、ヴェネツィア生まれのフェラーリのオペラ。 ゴルドニーの戯曲が原型というが、19世紀特有のヴェリズモ・オペラ。  
小さな広場を囲む住民達の日常、そこにあるのは、ねたみと嫉妬、恋に喧嘩。 かわいい3人のソプラノに、ひげの生えた3人のおばさんテノール。 その親しみのあるドタバタが全てアンサンブル、そして音楽だ。 

イタリアに限らず、世界中の下町どこにでもある小さな風景。 いや、もう無いかもしれない、広場や井戸端という楽しみ。 高校時代の友人たちの顔顔顔を思い出し、金のなかった卒業旅行のヴェネツィアがよみがえる。 こんな、オペラはじめて観た、しかし、これが本当のイタリア・オペラかもしれない。
 小さな街の小さな劇場、歌われる音楽は一級のアリアというよりアンサンブル。 大言壮語の物語ではないが、全ての人間が絡まる恋と喧嘩と涙のオペラ。
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