2010年9月22日水曜日

バルバラ・カポキン国際建築ビエンナーレ


21日の九段のイタリア文化会館は「バルバラ・カポキン国際建築ビエンナーレ」日本巡回展記念シンポジウム「地方から発信する建築」。 久しぶり、建築をテーマとした楽しいシンポジウム。 
イタリアのパドヴァを拠点とする国際建築ビエンナーレは2003年の「バルバラ・カポキン賞」からスタート、2007年からは建築賞、展示会、各種イベントがパラッツォ・デッラ・ラジオナーレを拠点として隔年で開かれている。 

当日の主宰者の説明では、過去430点の建築賞応募があり、日本からは66件もの応募、イタリアに次いで第二位の出品だそうだ。 
評価成績も素晴らしく、日本の建築家が4回の建築賞のうちグランプリを2回、他に住宅部門賞、商業建築賞を受賞している。 
当日のシンポジウムはその受賞者4名と賞の審査員の一人、隈研吾氏によるもの。
 
スライド説明の受賞作はみな、東京ではなく、地域で活躍する建築家の作品、住宅を中心とした小規模建築ばかり。 
そして、受賞された皆さん共通して、「賞をいただき、このことが自分自身の建築活動の’自信につながった」とおっしゃられたのが印象的。

 受賞作は大規模でもなければ、グローバルな提案ではない、しかし、どの作品も建築の原点である「建築の建つ場所」を懸命に読み取っての新鮮な提案。 
一極集中のグローバル東京にいるボクが最近忘れていた何かを、このシンポは確実に思い出させる貴重な内容だった。 

さらに、面白かったのは、隈氏の話。 日本の幕藩体制から明治維新を龍馬等人間像を透して読み取ることがよくあるが、同時代の地域像、その歴史と文化をよくよく眺めると、各々の地域が個々別々に独特の興味深い内容を持っていた。
この地域のかたちの違いはイタリア半島も全く同じ、という指摘。 
そして彼はシンポの終わりに全員に「今後、建築はどう変わるか」と問うた。
 
こんな難しい質問に対し、受賞者は短時間ながら真摯に答えた。 
話を要約すれば、環境やサステーナブルは当然だが、むしろ、グローバル・スタンダードでは届かない部分、それは決して反語としてのローカリズムと言うことではないのだが、どんなに小さい、弱い建築でも、その建築に秘められた「哲学」が問題となる。 
ボクも全く同感だ。
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