2010年7月15日木曜日

二期会の「ファウストの刧罰」

久しぶり、二期会オペラに行く。ベルリオーズの「ファウストの刧罰」。 ゲーテのファウストではあるが、誰でもが知るこの物語を、 ベルリオーズはかなり抽象化してオペラにしている。 
メトの体験では、主役はむしろメフィストペレスにあり、 その全体は交響曲「幻想」のオペラ化という印象を持っていた。 http://leporello.exblog.jp/12083661 

しかし、二期会の「刧罰」は全く違うものだった。 当然だろう、演出は様々、それが舞台を観る我々の楽しみだ。 今日の二期会は華やかだ。 まるで「宝塚」。 
抽象化されているオペラだが、全体はものすごく具体的。 地を這い、空中を舞うニンフたちが随所に登場するが、 その役割りはメフィストペレスの魔法により生み出される、 ファウストの想像的世界の創造にある。 
しかし、終始登場するダンスの動きは、 舞台を一層華やかなものに変えてはいるが、 全体は恐ろしく直接的、具体的なものとして表現されていた。 まぁ、これはオペラなの、あるいはバレー? と思う人もいるのではないか。

 ボクは不満足。 背景であるはずのダンス、その出来はともかく、 オペラ全体の流れのなかでは、余りにも頻繁すぎて、 歌手の歌を聴く楽しみ阻害している。 
さらに、そのダンスそのものが表現していることだが、 振り付けはあまりにも単調、 全場面を通じて、その動きにメリハリがなく、 え、またなのと、 終盤に近づくほど嫌悪感さえ持ってしまった。

 とは言え、やはり「ファウストの刧罰」はオペラだ。 音楽が終始全体をリードして行く。 ベルリーオーズはグノー以上に音楽としては具体的な表現を取っているので、 その流れはわかり易く戸惑うことはない。
 ファウストやマルグリートの歌声はオーケストラとのバランスもよく、 のんびり、ゆったり、楽しく聴かせていただいた。 
不満を付け加えると、メフィストペレスは今イチだ。
 メトのフアウスは、メフィストペレスに魅せられていた。 しかし、今日は、その彼が一体、何処にいたのか、 3階の観客席から舞台を見る限り、 演技・音楽からその存在を見いだすことが出来ず、赤い衣装だけを探す始末。 katohiroyuki/iPhone
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