2011年4月8日金曜日

建築と都市の誕生

発生期の建築は祭りという一時的なパフォーマンスのための装置です。
しかし祭りの装置であった建築がテンポラリーではなく、恒久の装置となった時、それはいわゆる建築の誕生ですが、その時、人間はドラスティックに変化しました。
人間社会にモニュメントが設置され、ランドマークが築かれたからです。

モニュメントは日常時間を、ランドマークは生活空間を分節し、動物と一体であった自然世界から人間的世界を分離し、秩序づける役割を果たしたからです。
建築の誕生により秩序化された自然とは異なる特別の場の発見は、人間は人間として生きる場を意識づけ、動物とは異なる、自然の大地からの飛翔をした生き方を自覚させました。

祭という集団の場における唯一共通の世界は建築を誕生させることにより、混沌としたありのままの自然空間のなかから、人間が人間として生きる特別な場、文化的な空間を意識づけました。
このように祭りによって生み出され、音楽と建築によって聖別された空間を祝祭空間と名付けましょう。
祝祭空間は日常空間の中に現出した人間の為の秩序空間。
その空間は気晴らしや楽しみの場でもありますが、より良く生きようとする人間にとっての情報交換の場、交流の場、そして何よりもそこは、集団にとっての文化的資質の備わった場、つまり都市を意味します。

集団で生きる人間が経済的利便を合目的化した集落の誕生、その集落の洗練化が都市の誕生と考えられますが、それは誤り。
人間がただ生き残る上での利便や必要のために、ただただ集つまって住まうのであれば、集落は存在しても都市は必要とされません。
人間が人間として生きていくために最も必要とするもの、それは食料や衣類ではなく人間なのです。
人間と人間の関係(社交)を生み出す場、その場こそ祝祭であり都市です。
人間の集団の場である集落の中に音楽と建築に支えられた祭りが生み出され、やがて祭りは一時的であることから恒久化し、都市として実体化されました。
都市は自然と一体化した集落とは決別したもの、人間が生み出した特別な空間です。
混沌的自然空間から聖別された人間的秩序空間、それが祝祭であり都市です。
都市は集落の延長ではなく集落との断絶こそ、その基盤であったのです。
したがって都市はその発生から、その空間に含みもつ文化的資質こそ、なくてはならないものでした。