2010年2月6日土曜日

つばめ


昨晩のBShiのメト・ライブビューイング・オペラはプッチーニの「つばめ」昨年の今頃、銀座東劇で上演されたもの。 

はじめての「つばめ」、それもTVでは、やはり魅力は半減、主人公マグダとルッジェーロを歌うアラーニャ夫妻にも不満足だった。 
しかし、これは二人の責任ではない、TVだけ見て、ごたごた言う資格はない。  

「つばめ」のマグダはマノンとトラビアータのヴィオレッタの間にある女性と、マグダ役のゲオルギューが放送の中インタビューで答えていたが、なるほどと思った。 

オペラは一般的には真実みある女性像より、描かれるのは類型的な女性像。
この「つばめ」はヴェリズモのプッチーニの面目躍如のオペラ。

 世紀末パリのリアルな女性の一人、その人物描写は克明に描かれている。 
金持ちに囲われ愛人生活中の彼女、田舎からの純朴なルッジェーロ(トラヴィアータのアルフレードと全く同じ)に恋をする。
 
二幕で繰り出したカフェ(ラ・ボエームと同様)のシーンでは過去のお針子時代の人となりをも細かく表現するリアリティ。 決して単純に愛に生きる可哀想な女性ではないことが真実みを持って描かれている。 そして、最終幕、彼女は(ヴィオレッタやマノン)のように決して死ぬことはない。 「あなたのやさしいお母さんが気に入ッて下さるような女性ではない」と泣き泣きではあるがルッジェーロに告げ、再び愛人生活に舞い戻る。

 昨日のオペラのなかでの収穫はマグダとルジェーロに重なるもう一つのカップル、プルニエとリゼットだ。 
ストーリのなかでのこの二人の存在は主役二人の表に対しての裏、あるいは、同時代の愛のかたちの対位法、 ドラマと音楽と言うオペラの魅力をより輻輳させ生み出している。 

対位法を歌ったプルニエ役のブレンチューとリゼット役のオロペーサ、その歌声は主役二人より、少なくとも今日のTVの中でも冴えていた。
 終わりに一言だけ、好きなバス、サミュエル・レーミーがランバルト役で歌う、風格ある演技と声、いつも魅せられます。
コメントを投稿